お前は既に死んでいる
ゾンビでもリビングデッドでも腐った死体でも、まぁなんでも
いいけどさ、なんでそんなに動く死体がいるんだ?
結構多いのは誤認である。
特に土葬にする場合、昔はしばしば死んだと思い込んで
生きたまま埋めてたようである。
後で調べてみたら、出ようとして棺おけを引っかいてたりしてた
事例は結構報告されている。
一部の国では誤認埋葬を防ぐために、生き返った後報告する
ブザーをつけたりした棺おけとか売られたりしてたようだ。
あと、死体はいろんな理由で動く。
死後硬直とかで手足が動いたりすることがあるし、腐敗によって
音が出たりすることもある。
今でこそその辺わかってるから納得がいくが、そんなことわからない
昔の人にとっては恐怖だったろうなぁ。
ゆえに墓石なんてのはあんなに重いのだ。
死者がはいずってでてこないように。
…もっともその中には生きてる人もいたわけだが.
物は考えようで、手足が腐っていたとしても脳とか体が問題
なければ、現在的な解釈でだがその時点では生きているわけだ。
(もちろん感染症などでいずれ死ぬけど)
でも昔はどうだったろうか。
そんなん見たらゾンビだと思うわな。
つまり今の解釈で生きているとしても、昔の解釈では
「お前は既に死んでいる」
ってことじゃなかろうかと。
その時点では生きている悪党も、ケンシ□ウにとっては死体と
同然ということだ。
でも思うんだが、例えば48時間後に死ぬ何かを注射されたと
して、その後48時間生きてるとしたら、その人はゾンビ
なんだろうか?治療薬で治療できたとしたら、その時点で
ゾンビじゃなくなるんだろうか?
科学の進歩によって死の意味は大きく変貌してしまった。
もちろん、人は死ぬ。
しかしかつてはもっとゆるやかだったこの世とあの世の境は、
実にくっきりと、そして味気ないものになってしまった。
ゾンビってのも死と生の境の存在だったろうけど、そういう存在は
もはやほとんど存在できやしないんじゃなかろうか?
むりやり可能性上げてみるとだ。
脳の意識をつかさどる前頭葉の機能が大幅低下(完全には機能停止
していない)するような損傷を受け、で、手足や体の一部が
腐ってるような状態ならゾンビっぽいような。
それでフラフラ歩いたり人間に襲い掛かったりする…可能性は
極端に低いけど戦場とかならありそうだ。
ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」も、自身の戦争体験が
元になったらしいし。
ゾンビと人間の違いはそんなに無いのかも知れん。
強いて違いがあるとしたら、逝きのよさもとい生きのよさだ。
生き生きしてるのが人間。生き生きして無さ過ぎるとゾンビ。
生きがないのが死体(逝きがいいのが死体)。
魚かなんかみたいな例えになってしまったが。
機能低下してるから長くは生きられないわけだけど。
それぞれの体の機能が上手く働いてるから、人間は生きていける。
少なくとも生理学的ゾンビは長く生きてはいけないのだ。
人為的に機能低下を引き起こしてると考えられるのが
ブードゥのゾンビである。
ゾンビを作るためのゾンビパウダーの中には、テトロドトキシン
などの神経毒が含まれている。
要するに毒で神経の機能低下させてるだけじゃん。
もっと高位の秘術あるのかも知れんけど、腐った死体動かせる
程の秘術は無いんじゃないか?あったら怖いけど。
ゾンビに襲われたらどうすりゃいいかだが、とりあえず逃げろ。
逃げてるうちに体温が上がって腐敗が進行するから死ぬ。
ゾンビの治療は脳や体の損傷次第だなぁ。
上手くいったら回復できるかも知れない。
結局ゾンビなんか作っても48時間とかで死んじまう。
…ゾンビコップかよ。
それに死体からゾンビを作るのは生きてる人間から作るより
困難だ。たださ、スケルトンよりは実現可能性ありそうだ。
スケルトンは…人形劇の人形みたくなら実現できるけど。